同作の第3話は「中京地区の某局に放送を断られた」と公表されているとおり、それなりに際どい描写があるものと予想されていましたが、南関東3局(tvk、MX、CTC)では無事放送されたものの、MXのみ規制が厳しかったと話題になっており、それが製作側の判断なのか局の判断なのか某巨大掲示板でも話題となっています。
ポニーキャニオンさんいわく「同一素材を送ったが、MXさんが局側で処理したもの」という話が本当なのか、その痕跡はあるのか、MXで放送された第3話の映像をチェックしてみました。
まずは、MXの放送に適用された規制例から。右のように、六角のロボ絵(オレンジ)が追加されており、他局共通の六角ロボ絵(青)もじつは大きさが異なります。
さらに、規制素材オレンジの合成プライオリティが青の下になっていることから、放送用素材の上にオレンジのみを重ねたわけではない事がわかります。その痕跡は放送開始直後のフェードにて確認でき、薄っらと他局同様の映像ソースが見え、規制素材オレンジと大きくした規制素材青の計2つを再編集で重ねたことがわかります(左の画像)。
このように「真剣で私に恋しなさい」第3話は、放送用マスタが各局同一であったものの、MXのみ規制を厳しく二重掛け措置をしたのが明確となり、これを局側で編集したにせよポスプロに急遽依頼したにせよ、「この内容では放送できなため映像規制を厳しくした」というMXの意向がハッキリと見てとれます。
7月に施行された都条例については、児童ポルノ云々を規制することよりも「その規制判断が個々の主観に委ねられている」という曖昧さを危惧する意見が多く、もしもこの度の規制が「条例施行後に制作・放送されている作品だし、従来よりも性的描写について厳しく判断せねば」という補正が働いたとすれば、それほど驚く措置ではありません。
このように、同一作品(シーン)であっても、判断する人間が変われば「この程度はOK」「これはダメだろう」という主観による判断のあやふやさが付きまとい、明確な判断基準を設けず実行すると”微妙におかしな事になる”、という一例を「真剣で私に恋しなさい!!」第3話で垣間見た気がします。
もちろん「規制するな」とは思いませんが、そこにはできる限り多くの人が納得できる明確かつオープンな判断基準があってほしいものです。
・東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)