AMD 7年振りの新GPUアーキテクチャ「Navi」は、10年を見据えたゲーム向けRDNAを搭載 - PC Watch
コンピュートタスクなど多様な用途を想定して設計された GCN 世代の GPU から「ゲーム機に実装することを前提としたアーキテクチャ」に生まれ変わったと捉えて良さそうな感じ。
AMD にとって GCN 世代の GPU は、当時後塵を拝していた CPU に付随するアクセラレータ的な思想としてコンピュートタスクの性能向上に励んでいた節はあったし、Bulldozer 世代は製造プロセスで Intel が他を周回遅れにするほど突っ走っていた時期。
AMD は少ないトランジスタ数で「それなりのもの」を作ったわけだけど、SIMD は Intel のほうがどうにもリッチな実装だし、その対抗手段として AMD の強みである GPU をコンピュートにも割り当てて CPU と GPU トータルで売り込もうみたいな苦しい時代でもあったと思う。OpenCL とか異様にプッシュしたりしてね。
けれど Navi 世代は違う。
Zen2 コアの第3世代 Ryzen がリリース間近で、CPU のみでも Intel CPU と十分やりあえるものを手にした。SIMD が効きそうな並列度の高い処理に「僕(CPU)はGPUさんと仲良く一緒に仕事できるんだ(ドヤァ)」といったマーケティングを前面に押し出さなくても良くなり、従来のコンピュートは GCN に任せつつグラフィックスタスクに特化したものとして RDNA が生まれたのは自然な流れかもしれない。PS4 や Xbox One で掴んだ顧客の影響力も背中を押したのだと思うし、それが PS5 や次世代Xboxでも……となれば、かなりゲーミングに特化した GPU 設計になっても何ら不思議は無いよねという。
RDNA は PC 向けにもビデオカードとして世に出るけれど、従来の「PC 用途がベース」から「ゲーム機ベース」に変わってPC に降りてくるという点で、今までとは毛色の異なる GPU になりそうだし、ちょっぴり期待したい。
そういう意味では、NVIDIA が早々に系統分けしつつプロモーションの一環として SHIELD でモバイルにも強いゲーミング向け GPU を売り込んだ結果、Nintendo Switch でデザインウィンを取ったのは本当に賢いと思う。