8月24日発売「WORKING!!」Blu-ray BOXのテレビCMが始まり、再撮影(再コンポジット)によるHDマスタリング画質の片鱗を垣間見ることが出来ました。そこで早速、TV本放送時(SDマスタ)とBlu-ray CM(HDマスタ)の同一シーンを比較しながら、どの程度画質が改善されたのか確認してみましょう。一度、地デジのMPEG-2でエンコードされ、画質が劣化している事から鵜呑みにはできないものの、ある程度の違いは確認できるかと思います。
解像度は観るからに一目瞭然の違いです。補足しておくと、TV本放送時のSD映像はフィールドスケーリングしていたカットがあったため、SDといえど映像品質はお世辞にも良いものでありませんでした(DVDはそれ相応のSD解像度)。しかし、それをある程度加味してもSDとHDマスタの差は見て取れ、主線のキレや背景ディテールの違いからも、再撮影によるHD化の威力は確認できます。
もう少しコンパクトなサイズで違いを見たい方は、以下のトリミング画像をどうぞ。
これらを見ると、作品としてハイコントラストな主線・彩色ではないため、パッと見のインパクトに若干欠ける点は否めませんが、HDとSD(アプコン)では埋めきれない画質差がある点も充分再認識させられる映像だと個人的に感じました。やや優しいソフトな画質だけれど、解像度は確実に向上しています(個々が感じる程度の差はあると思いますが)。
この映像を観るにあたり個人的に評価しなかった部分(地デジに起因するであろう部分):
モスキートノイズ
ブロック歪み
階調表現
横方向のスケーリングによる解像度の違いや色にじみ
→第一期再放送決定
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むしろSDマスターの品位が結構高いと思った我の目は、やっぱりちくわである。
無理矢理な鮮明化アプコンよりもHDリテイクの方が(コスト的に釣り合えば)演出意図の尊重という意味で最良の選択なのですが、如何せん中間素材が破棄されてる場合が殆どですからね…
FSNのBD化以来余り見たことのない再コンポジットによるHD化なんですが、やっぱ威力違いますね。
しかし、アプコンマスターとHDマスターを比べてみると、なんか色が微妙に違ってるというか…アプコンの方がごく僅かにに赤味を帯びてるというか…もしかしたらアプコンの際、ColorMatrixの変換が行われなかったでしょうか。HDとSD、どっちがより「正しい色」を再現してるか、検証する手立てがないでしょうか。
>センパイ。さん
昔は制作したらそれっきり……という事が多かったと聞きますが、今後はアニメーション制作会社が、作品の素材もきっちり管理・保管する能力が問われるかもしれませんね。デジタル制作は、素材をストレージで保存しやすいというメリットがありますし。
>dgwxxさん
その色がどの程度正しい色なのかは、コンポジット→出力→その後の編集(変換行程の全貌)から精度を推測するしかないと思います。
なぜなら、私たちが目にする映像はマスタそのものでなく、再編集したりエンコードされているため、「その色がどれほど正しい色なのか」と量り知るための基準映像を観られない苦しさがあります。
ただ「WORKING!!」の事だけをいえば、両方ともBT.709色域ですし(BT.601も試しましたが明らかに色が異なります)、HDとSD(アプコン含む)では僅かに色(輝度)が異なる事はよくありますよね。実際、地デジ、DVD、BDという3種の映像を正しく色域変換しても色が僅かに違うというのはよく見かけます。
正しい色を確認する方法としては、ARIBカラーバーをベクトルスコープで見るのが一番簡単に思えますが、問題は同ソースのカラーバーの地デジ(HD送信・SD送信)、DVD(SD変換)、BDという各種映像が入手困難である点です。
制作・編集において、できる限り色空間変換や色域変換回数を抑える事が「正しい色」に近いとは思いますが(理屈では)。
>素材をストレージで保存しやすい
昔の素材管理は物理的金銭的に困難あるいは不可能でしたが、昔からの慣習(悪習?)で「素材は潰せ」というところもまだ多いようです。そういうことから「おジャ魔女どれみ」の高解像データも無くなった訳で。
ただにわかに信じがたいのが「ブルーシード」や「To Heart」のオリジナルネガが行方不明になっている事ですね。本来プロダクションにとっての生命線であるはずなのに…
えーと、不適切だったかな?
返信にお困りだったら削除しちゃって構いませんので。すみません。