また、ProfileレベルもHigh@3.1縛りが解除され、完全にレベル制限が無くなりました(最大レベルであるHigh@5.2を意図的に指定しても大丈夫)。しかし、実質的なデコード能力はLevel 4.x程度であるため、最大ビットレートや参照フレーム数の指定には注意が必要です(下記の表を参照)。
前バージョンまでの詳細(仕様や問題点等)はこちらの過去記事でご覧いただけます。
システムソフトウェアv1.69までとv1.80のAVC(H.264)デコード仕様比較
Version 1.69 まで |
Version 1.8 |
|
Level |
3.1 |
制限無し(5.2でも可だがソニーの発表上では4.0) |
High Profile |
対応 |
← |
High10 Profile |
非対応 |
← |
解像度 |
1280x720(最大) |
←(現在はフルHDも可) |
DPBマクロブロック数 |
39,600以上(18,000)*2 |
← |
最大フレームレート |
60fps(30fps)*2 |
60fps |
可変フレームレート(VFR) |
対応 |
← |
参照フレーム数(*1) |
1280x720で11(5)*1
960x540以下で16(8)*1 |
← |
Bフレーム連続数 |
16 |
← |
最大ビットレート(映像) |
約40Mbps(17.5Mbps)*1 |
約62.5Mbps |
最大ビットレート(音声) |
AAC 256kbps |
AAC 256kbps(*3)または512kbps以上(*4) |
ピラミッド参照化 |
対応 |
← |
OpenGOP |
対応 |
← |
フルレンジ判定 |
非対応 |
← |
デインタレース再生 |
対応 |
← |
カラーマトリクス |
BT.601(固定) |
BT.601およびBT.709両対応 |
*2 括弧内は Level3.1本来のリミット値
*3 MP4Boxを使用した場合の上限
*4 L-SMASH muxer/remuxer(x264_L-SMASH含む)を使用した場合に限り音声256kbps以上のVita対応動画を作成可能
今後は、現在主流であるBT.709をVitaでも扱えるようになり、今どきの映像コンテンツとの相性が格段に良くなります。昔の映像(BT.601、smpte170mベースでマスタリングされた映像)はBT.601指定、近年の映像はBT.709をエンコード時に指定するだけで正しい色が再現されるようになりました。映像やゲーム内動画を製作される方も、BT.709変換によるBT.709指定でクリエイターが意図した色を視聴者・ゲーマーに届けることができます。
また、早戻し/早送り・リピート・可変速再生への対応、十字キー・アナログスティック・○△□×ボタンでの操作も可能となり、キーに慣れた人であれば快適にコントロールできるよう改良されました。映像を観るとき、パネルに指紋が付かず喜ばれそうです。
v1.80で導入されたVitaのキー操作
上・下でシーンサーチ間隔の変更(プレイヤのシーンサーチ)
一時停止⇔再生(プレイヤ)
操作メニュー・ウインドウのON/OFF(プレイヤ)
シーンサーチのON/OFF(プレイヤ)
動画再生の中断(プレイヤ)
アプリケーションのタスクを閉じる(×ボタン長押し)
今回のアップデートにより、ようやくPS Vitaが本気を出し始めたかなという印象ですが、欲をいえば本体発売時点でこうあってほしかった……という思いも(とはいえ発売して1年も経っていないのですが)。あとは、ゲームを中心としたVita専用アプリケーションが今以上に潤ってくれることを祈るのみ。ミクさんも降臨間近ですしね。
# 記事内の不明な点やご指摘はコメントにてどうぞ。
PlayStation®Vita システムソフトウェア アップデート
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PS Vita の AVC(H.264)デコード能力と仕様(v1.50) 過去記事
POPさんこんにちは。
1.8アップデートしたがBT.709でエンコードした動画を再生したら、音ズレが起こりました。
PCでは同じ動画が問題なく再生されます。
BT.709だけをBT.601に変えてエンコードしたら音ズレが起こりません.
POPさんのところでは同様な事態がありましたか?
ちなみにこれは例の動画:
http://www.mediafire.com/download.php?o8elgbt0jagllv4
> ron さん
当方の環境で作成したものについては、音ズレが発生することはありませんでした。どういったソースをどう処理して何を使って作成したのかがわからないと、私の環境で再現チェックが出来ないため、何ともいえない状況です。
よろしければ、それらの情報・詳細をお知らせいただけないでしょうか。
個人的には、色空間変換時に適用するカラーマトリクスの違いでしかないため、音ズレが発生するとは考えにくいな……という印象です。もちろん何らかの不具合の可能性を否定するものでもありませんが。
POPさんこんにちは。
色々テストしたらなんとか解決しました。
720p 60fps、BT.709でエンコードするとき、b_pyramid 0、ref 2、bframes 2では音ズレがもう起こっていません。
720p 60fps、b_pyramid 2、ref 4、bframes 4のとき、BT.601は無事でBT.709が音ズレ、これはなぜでしょうか…
> ronさん
その動画は –vbv-maxrate 17500 –vbv-bufsize 17500 のような例でビットレート制限をしていますでしょうか。また、b_pyramid の指定が整数なのでffmpegとかなのかな?
バージョン2.00で1080iに対応しましたよ
対応しましたね。フルHDまでいけます。
じつはHi10も転送できるようになったのですが本体では非対応ファイル判定。
1920×1080 23.976pで確認したところ、きちんと再生されました。ですが、加速再生には対応していないみたいですね。減速は問題なくできますが。
参照フレーム数の縛りはまだあるのか判りませんが、非対応な動画はまだありますね。
自分でエンコードしたPSVitaで見れないファイル(MP4Boxで作った)をL-SMASHでRemuxしたら再生できたのですが、どういうことでしょうか?