以前日記でも書いたとおり、本日から改正著作権法の「技術的保護手段(DRM回避)」に該当する部分が施行される。DVDやBlu-rayコンテンツを私的に楽しんだりエンコードしていた方々にとっては「とても不自由」な改正著作権法であり、購入したパッケージは私的利用においても技術的保護手段(アクセスコントロール)を回避しての複製が違法となる。
従来は、信号に付加されているコピーコントロール信号(マクロビジョン等のダビング防止技術)に対してのみ適用されていたが、この度の改正で今どきの技術的保護手段を網羅するかたちとなった。
文化庁の見解からも、技術的保護手段に該当するものとして CSS、AACS、DTCP、HDCP、B-CAS が挙げられており、DVD・Blu-rayパッケージおよびスクランブルの掛かったTV放送のコピー・エンコードといった複製行為、HDCPで暗号化された信号を解除してのキャプチャ等が対象となっている。
端的に書くと、それらの映像・音声をDVD・Blu-rayドライブからローカルに複製して視聴したり、エンコードしたストリームをPCやスマフォなどに保存・転送して楽しむことが許されなくなった。さらに注意を要するのは、技術的保護手段の回避プログラムを公衆送信化(配布)してしまうと、非親告で刑事罰を科せられることから、例えば DeCSS(libdvdcssライブラリ)等を含めたバイナリを日本人が配布する事は完全にアウトとなる。
個人的には、その抑止力に堂々と乗り、技術的保護手段回避に該当するコードをソースからも排除してオープン化するのがベストだと思うが、コードを除外せず、デフォルトでは技術的保護手段回避に該当する部分をビルドできない(Enableオプション等で意図的に指定しないと取り込めない。絶対に実行できない)ようにしておけばセーフではないかとも考えている。もちろん、前述のようにバイナリ化しての配布は避けなければいけないし、今後もソースコードの扱いをどうすべきか意識する必要はありそうだ。
この違法化が施行される前にリッピングしたデータをエンコード等するのもアウトになるのでしょうか?
このリッピング法は、執行日より前のは罰則に当たらなかったはず。
逆に言えば、ファイルの日付でしか判別出来ないので警察が乗り込んだ場合は切り抜けずらいと思います。
> hogeさん
10月より遡った(今年9月まで、施行前の)行為に対して適用されることはありません。これを法の不遡及といいます。
裏を返せば10月以降発売・放送される作品は、改正法施行以降だと確定できるためご注意を。
DVD,BDのリッピングはダメってい言われてるのは知ってたけど、PT2での録画もOUTなんでしょうかね・・・? いや、だとしてもやってるかわからないか。自宅まで来て調べられたらPT2とか一発でわかるが(;´Д`)
> leucojumさん
録画は大丈夫だと思いますよ。
PTシリーズは、基本的に放送波を復調してストリームを保存する機能しか有していないため、B-CAS方式のMULTI2暗号を復号することができません。つまりPTシリーズ本体は、技術的保護手段の回避に触れることを一切していません。単なるチューナーというわけです。
今までは、録画ソフト側でB-CASにアクセスしながらMULTI2を復号する事ができましたが、10月からの法改正はこの部分が非常にデリケートなため、録画用ソフトやそれに付随するツール・ライブラリの各作者さんが公開を停止しているはずです。
文句を言われない録画をするのであれば、録画ソフトでMULTI2を復号せずそのまま保存し、視聴ソフト(TVTest等)でMULTI2復号しながら観れば、技術的保護手段を回避しながらの複製にならないため大丈夫かと思われます。
ごめんなさい><そんなにココらへんに関心がなく、調べてないのですが、いわゆるTS抜きをセーフという認識で良いのでしょうか? これがダメになると、CMカットしてエンコしている人の多くはOUTをいう判断になりますよね?
> leucojumさん
セーフではなく、グレーゾーンでしょうね。
先に書いたとおり、地上波などの無料放送も multi2 というアルゴリズムで暗号化されており、それをB-CASで復号化(暗号解除)して読み込む形式です。文化庁は「B-CAS方式もアウト」と明記していることから、B-CAS方式を常に使用しているテレビ放送をエンコード等で複製すると危ないかと思います(エンコードして出力するのではなく、読み込むのみであれば複製にならないため問題ないと思いますが)。
しかし、なぜ完全にアウトでないかもしれないかというと、B-CASのもうひとつの機能として有料放送の契約情報管理(視聴できるか否かをコントロールする部分)も担っていることから、有料チャンネルのストリームに限り不正な処理での視聴・複製はアウトなのかもしれません。
ただしこの解釈は、私たち視聴者側に偏った捉え方ですので、基本的には「B-CASを用いてスクランブル解除が必須となるテレビ放送全般はエンコードしないほうが無難」だと感じます。エンコードしたりする場合は、正当な引用権を行使できるような利用において実行するのがよいでしょう。
ビルドして下さっているx264を使わせていただいております。ありがとうございます。
x264関連の記事に書いたほうがよかったかもしれませんが最新記事がこちらだったのでこちらに書かせていただきます。
例えばr2216で”x264.exe –version”を実行するとバージョンが「x264 0.128.x」となるのですが
x264.nlのバイナリと同様に「x264 0.128.2216 198a7ea」といった感じでリビジョン込みで表示させることは可能でしょうか?
x264guiExで
auo [info]: x264 version: 0.128.2216 198a7ea –bit-depth=8 –chroma-format=all
という感じでバージョン等がログ出力されるようになっていますので、
そこにリビジョンが残るようになるとありがたいなと考えております。
もしご面倒でなければ次バージョンあたりでご対応いただければ幸いです。
お世話になっております、x264guiEx作者のrigayaです。x264のビルド、ありがとうございます。
金の髭様同様x264のビルドについてで、記事内容とは関係なく恐縮ですが、最新のエントリということでこちらに書かせて頂きます。
今度x264guiExの使用準備がめんどくさい or わかりにくい、という人のために、もろもろ自動でダウンロード・配置する簡易インストーラを追加しようと考えています。
その際にこちらでビルドしてくださっているx264_L-SMASHを自動でダウンロードするように設定させていただきたいと思っています。
作成中の簡易インストーラのサンプルをこちらに置きました。auo_setup.exeを実行します。
http://cid-6bdd4375ac8933c6.office.live.com/browse.aspx/test
回線負荷などの問題もあるかと思いますが、よろしいでしょうか?
(そんなにたくさんの人が一気に使うわけではないと思うのですが…)
お返事いただければ幸いです。
> 金の髭さん
その要望はお受けすることが可能です。
現在はhelpのみ影響する部分にrevisionナンバー等の情報を独自に振っていますが、バイナリの情報参照部分にもrevision情報込みでビルドすることは可能ですので次回から対応したいと思います。
> rigayaさん
こちらこそお世話になっております。
簡易インストーラーのリンクについてですが、まったく問題はありません。こうしてお知らせいただけるだけで、こちらとしましても大変助かります。
また、rigayaさんのほうから要望がありましたら何なりとお申し付けください。
例えば、ファイル名の規則は変えないつもりですが、最新ファイルに対して固定名のシンボリックリンクを張って固定アドレス(URL)で最新バイナリを取得できるようにしたり、アーカイブせずバイナリをexeのまま置いたりすることも対応可能ですので、遠慮無くどうぞ。
快いお返事ありがとうございます!
今のファイル名規則ならおそらく正常に最新版を取得できるのですが、
最新のものを固定アドレスにしていただければ、誤検出の心配が減り非常に助かります。
ぜひご好意に甘えさせていただければと思います。
今後ともよろしくお願いします。
たびたび申し訳ありません。
やはり簡易インストーラについてよく考えた結果、rev更新のチェックをする際に、
固定リンクでなく、今のような形のほうがやりやすいと気づきました。
なのでせっかくご提案いただきましたが、固定リンクのお願いは撤回させていただければと。
お騒がせしてすみません。
ドタバタしていてすっかりお礼が遅くなってしまいました。申し訳ありません。
revision番号対応の件ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
ピンバック: POP@4bit » Blog Archive » 茂木氏が「文化の発展」を願いつつ「Marumo ISDB Splitter」Ver.0.1.0 を公開